どのように検査・診断をするの?

SMA診断までの流れ

SMAは新生児スクリーニングのほか、乳幼児健診、患者さんご自身やご家族の方が体の異変に気付くことがきっかけで発見されます。しかし、診断に至るまでに時間がかかることがあり、その間に症状が進行する患者さんもいらっしゃいます。
SMAが疑われる症状があれば、早めに専門病院を受診することが重要です。
症状から判断しづらい場合や専門病院がわからない場合は、お近くの小児科や神経内科などにご相談ください。

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出典1)2)より作成

SMAの診断に必要な検査

遺伝学的検査

SMAを疑う場合には、遺伝学的検査を行います。
血液からSMN1遺伝子の数(コピー数)や変化などを調べます。
そこで、SMN1遺伝子の一部を持っていない、もしくは、持っていても変化しているとわかればSMAと診断されます。
SMN1遺伝子の変化がみられない場合は、ほかの原因を探す検査を行います。
検査の結果がわかるまでに数週間~1カ月程度かかることがあります。

遺伝学的検査を実施する場合には、遺伝カウンセリングにより、検査前から診断後まで、SMA患者さんやご家族の心理面や社会面も含めて、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラー®※がサポートします。詳しくは、「Voice」の認定遺伝カウンセラー®の解説ページをご参照ください。

※:医療施設によっては在籍していないことがあります。

そのほかの検査

SMAではなかった場合に、SMA以外の病気の可能性を調べるために血液や筋肉、神経、脳の状態を調べる検査などを行います。
血液検査や、筋肉の状態を調べる筋電図検査やMRI、神経の状態を調べる神経伝導検査、脳の状態を調べる脳波検査などを行うことがあります。

1)脊髄性筋萎縮症(SMA)診療の⼿引き編集委員会 編.脊髄性筋萎縮症(SMA)診療の⼿引き.メディカルレビュー社; 2022.
2)Mercuri E, et al. Neuromuscul Disord. 2018; 28: 103-15.

総合監修
東京女子医科大学ゲノム診療科 特任教授
齋藤 加代子 先生

1976年 東京女子医科大学医学部卒、80年 同大学院臨床医学系小児科学修了。東京女子医科大学小児科学教室助手、同教室講師、助教授を経て、99年 教授。2001年 東京女子医科大学大学院先端生命医科学系専攻遺伝子医学分野教授を兼任、04年 同附属遺伝子医療センター教授専任・所長。16年 同副学長、17年より同名誉教授(現職)、同附属遺伝子医療センター特任教授・所長。東京女子医科大学臨床ゲノムセンター所長、同病院遺伝子医療センターゲノム診療科特任教授を経て、21年4月より同ゲノム診療科特任教授(現職)。専門は遺伝医学、小児神経学、小児科学。

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2024年9月改訂