身体障害者手帳で受けられる経済的サポート

障がいによって自立が困難な方や日常生活に支援を必要とする方は、自治体から障害者手帳の交付を受けることができます。障害者手帳の種類には身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳があります。SMA患者さんで身体に一定以上の障がいのある方は、身体障害者手帳を取得することができます。
身体障害者手帳によって受けることができる経済的サポートには、年金や手当以外にも税金の控除や各種助成、公共料金や公共交通機関運賃の割引などがあります。
身体障害者手帳では障がいの程度に応じて最も重い1級から7級までの等級があります。受けることができる支援の内容は等級によって異なることがあります。

どのような人が対象になるの?

  • 身体障害者手帳を取得している方
  • 障がい者を扶養している方

どのようなサポートが受けられるの?

  • 税金の控除や減免など

身体障害者手帳に身体上の障がいがある人として記載されている方は、各種税金の控除や減免などを受けることができます。身体障害者手帳の等級が1級または2級の方については特別障害者に該当します。

障がい者本人が受けられる特例
特例の区分 障害者 特別障害者
所得税の障害者控除 27万円を控除 40万円を控除
相続税の障害者控除 障害者が85歳に達するまでの年数1年につき10万円を控除 障害者が85歳に達するまでの年数1年につき20万円を控除
贈与税の非課税 精神に障害がある方については、信託受益権の価額のうち3,000万円まで→非課税 信託受益権の価額のうち6,000万円まで→非課税
心身障害者扶養共済制度に
基づく給付金の非課税
・給付金→非課税(所得税)
・相続や贈与による給付金を受ける権利の取得→非課税(相続税・贈与税)
少額貯蓄の利子等の非課税 350万円までの預貯金等の利子等→非課税(所得税)
所得税の障害者控除
障害者 27万円を控除
特別障害者 40万円を控除
相続税の障害者控除
障害者 障害者が85歳に達するまでの
年数1年につき10万円を控除
特別障害者 障害者が85歳に達するまでの
年数1年につき20万円を控除
贈与税の非課税
障害者 精神に障害がある方については、信託受益権の価額のうち3,000万円まで
→非課税
特別障害者 信託受益権の価額のうち6,000万円まで
→非課税
心身障害者扶養共済制度に基づく
給付金の非課税
障害者
特別障害者
・給付金
→非課税(所得税)
・相続や贈与による給付金を
受ける権利の取得
→非課税(相続税・贈与税)
少額貯蓄の利子等の非課税
障害者
特別障害者
350万円までの預貯金等の
利子等
→非課税(所得税)
障がい者を扶養している方が受けられる特例(所得税の障害者控除)
区分 控除額
障害者 27万円
特別障害者 40万円
同居特別障害者 75万円

※:扶養している特別障害者と同居している場合

出典1)より改変

障害者控除は、扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族がいる場合にも適用されます。
このほかの税金の特例として、自動車税や軽自動車税、自動車取得税の減免などがあります。

  • その他各種助成や割引など

自治体や事業者、施設などによって受けられるサービスは異なりますが、以下のような例があります。

  • NHK受信料の減免
  • 水道料金・下水道料金の減免
  • 公共交通機関運賃の割引
  • 住宅改修費の助成
  • 公営住宅への優先入居
  • 携帯電話料金の割引
  • 美術館や博物館などの入館料無料・割引

など

手続きの方法は?

所得税の控除については、会社員の方は年末調整の際に勤務先に提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に必要事項を記入するか、確定申告の際に申請します。個人事業主の方は確定申告で申請します。

窓口はどこ?

税金についてはお住まいの地域を管轄している税務署へ、公共料金についてはそれぞれの窓口へ、その他の各種助成や割引についてはお住まいの市区町村の窓口へお問合せください。

税金に関する詳しい情報は、主な支援制度のお問合せ先より国税庁のウェブサイトをご参照ください。

1)国税庁.障害者と税. https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/03_2.htm,(2023年6月29日閲覧)

2023年7月改訂