指定難病の患者さんへの医療費助成
SMAなどの指定難病の患者さんは、条件を満たせば年齢を問わず医療費助成を受けることができます。
小児慢性特定疾病の医療費助成制度にも該当する場合はどちらを選択してもかまいませんが、自己負担上限額は小児慢性特定疾病の方が低くなります。
18歳未満(治療継続が必要な場合は20歳未満)までは小児慢性特定疾病の医療費助成制度を利用し、その後、指定難病の医療費助成制度に切り替えることが可能です。
どのような人が対象になるの?
- 病状の程度が一定程度以上の指定難病の患者さん
※SMA患者さんでは、症状の程度が以下のいずれかに該当する場合に対象となります。
- 生活における重症度分類で2以上
- 生活自立度の尺度であるmodified Rankin Scale(mRS)、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上
- 認定基準に該当しないものの、高額な医療の継続が必要(軽症高額該当)と認められる場合でも対象となります。
※医療費総額が33,330円(負担割合が3割の患者さんの場合は自己負担額が約10,000円)を超える月が、支給認定を申請した月以前の12カ月の間に3回以上ある場合。
出典1)
対象となる費用は?
難病指定医療機関※におけるSMAに関する医療費
※:都道府県・指定都市で指定された保険医療機関(病院・診療所、薬局、訪問看護ステーション)
(該当の医療機関は主な支援制度のお問合せ先より難病情報センターのウェブページをご参照ください)
どのようなサポートが受けられるの?
負担割合が3割の方は2割になり、1カ月あたりの自己負担が世帯の収入や患者さんの状態に応じた上限額までになります。
自己負担上限額
階層区分 | 階層区分の基準 ( )内の数字は、夫婦2人世帯の場合における年収の目安 |
自己負担上限額(月額) (患者負担割合:2割、外来+入院) |
|||
一般 | 高額かつ長期※ | ||||
人工呼吸器等 装着者 |
|||||
生活保護 | ― | 0円 | |||
低所得Ⅰ | 市町村民税 非課税 (世帯) |
本人年収 ~80万円 | 2,500円 | 2,500円 | 1,000円 |
低所得Ⅱ | 本人年収 80万円超~ | 5,000円 | 5,000円 | ||
一般所得Ⅰ | 市町村民税 課税以上7.1万円未満 (約160万円~約370万円) |
10,000円 | 5,000円 | ||
一般所得Ⅱ | 市町村民税7.1万円以上25.1万円未満 (約370万円~約810万円) |
20,000円 | 10,000円 | ||
上位所得 | 市町村民税25.1万円以上(約810万円~) | 30,000円 | 20,000円 | ||
入院時の食費 | 全額自己負担 |
( )内の数字は、夫婦2人世帯の場合における年収の目安
生活保護 | ― |
低所得Ⅰ | 市町村民税 非課税(世帯) 本人年収 ~80万円 |
低所得Ⅱ | 市町村民税 非課税(世帯) 本人年収 80万円超~ |
一般所得Ⅰ | 市町村民税 課税以上7.1万円未満 (約160万円~約370万円) |
一般所得Ⅱ | 市町村民税 7.1万円以上25.1万円未満 (約370万円~約810万円) |
上位所得 | 市町村民税25.1万円以上 (約810万円~) |
入院時の食費 |
自己負担上限額(月額)
(患者負担割合:2割、外来+入院)
一般 | 高額かつ長期※ | 人工呼吸器等装着者 |
0 | ||
入院時の食費 | ||
全額自己負担 |
自己負担上限額(月額)
(患者負担割合:2割、外来+入院)
一般 | 高額かつ長期※ | 人工呼吸器等装着者 |
2,500円 | 2,500円 | 1,000円 |
入院時の食費 | ||
全額自己負担 |
自己負担上限額(月額)
(患者負担割合:2割、外来+入院)
一般 | 高額かつ長期※ | 人工呼吸器等装着者 |
5,000円 | 5,000円 | 1,000円 |
入院時の食費 | ||
全額自己負担 |
自己負担上限額(月額)
(患者負担割合:2割、外来+入院)
一般 | 高額かつ長期※ | 人工呼吸器等装着者 |
10,000円 | 5,000円 | 1,000円 |
入院時の食費 | ||
全額自己負担 |
自己負担上限額(月額)
(患者負担割合:2割、外来+入院)
一般 | 高額かつ長期※ | 人工呼吸器等装着者 |
20,000円 | 10,000円 | 1,000円 |
入院時の食費 | ||
全額自己負担 |
自己負担上限額(月額)
(患者負担割合:2割、外来+入院)
一般 | 高額かつ長期※ | 人工呼吸器等装着者 |
30,000円 | 20,000円 | 1,000円 |
入院時の食費 | ||
全額自己負担 |
※:医療費総額が5万円/月(たとえば医療保険の2割負担の場合、医療費の自己負担が1万円/月)を超える月が12カ月の間に6回以上ある方。
出典2)より改変
手続きの方法は?
- 難病指定医(該当の医師は主な支援制度のお問合せ先より難病情報センターのウェブページをご参照ください)を受診し、「診断書(臨床調査個人票)」を作成してもらう
- 必要書類をお住まいの都道府県または指定都市の窓口へ提出し、申請する
- 審査後、支給認定された場合は「特定医療費(指定難病)受給者証」が交付される(申請後、3カ月程度)
- 難病指定医療機関で受給者証を提示し、治療を開始する
※申請から受給者証交付までの間に難病指定医療機関でかかった医療費は払い戻し請求ができます。
※申請から受給者証交付までの間に難病指定医療機関でかかった医療費は払い戻し請求ができます。
出典2)3)より作成
どのような書類が必要?
- 特定医療費の支給認定申請書
- 診断書(臨床調査個人票)(医師が記載)
- 世帯全員の住民票
- 市町村民税(非)課税証明書など世帯の所得を確認できる書類
- 健康保険証のコピー
- 同意書
- 個人番号(マイナンバー)を確認できる書類
など(必要書類は自治体や患者さんの状態、世帯の状況などによって異なる場合があります)
有効期間はあるの?
特定医療費(指定難病)受給者証の有効期間は原則1年以内です(1年ごとに更新が必要)。
窓口はどこ?
お住まいの都道府県または指定都市(健康福祉部、保健所など)
1)難病情報センター.病気の解説・診断基準・臨床調査個人票の一覧,3 脊髄性筋萎縮症,概要・診断基準等.
https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/upload_files/File/003-201804-kijyun.pdf,(2023年6月29日閲覧)
2)難病情報センター.指定難病患者への医療費助成制度のご案内. https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460,(2023年6月29日閲覧)
3)厚生労働省.難病と診断された皆さまへ. https://www.mhlw.go.jp/content/000849341.pdf, p.1. (2023年6月29日閲覧)
2023年7月改訂