小児慢性特定疾病の患者さんへのサポート

小児慢性特定疾病とは、子どもの疾患のうち、(1)慢性に経過する、(2)生命を長期にわたって脅かす、(3)症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる、(4)長期にわたって高額な医療費の負担が続く、の4つの条件を満たす特定の疾患です。
SMAも対象疾患に指定されています。
小児慢性特定疾病の患者さんは、医療費助成や日常生活用具の給付、自立支援などさまざまなサポートを受けることができます。

小児慢性特定疾病とは、子どもの疾患のうち、

  1. 慢性に経過する、
  2. 生命を長期にわたって脅かす、
  3. 症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる、
  4. 長期にわたって高額な医療費の負担が続く、

の4つの条件を満たす特定の疾患です。
SMAも対象疾患に指定されています。
小児慢性特定疾病の患者さんは、医療費助成や日常生活用具の給付、自立支援などさまざまなサポートを受けることができます。

医療費助成

どのような人が対象になるの?

  • 18歳未満の小児慢性特定疾病をもつ患者さん(18歳到達後も引き続き治療が必要と認められる場合には 、20歳未満も対象)
  • SMA患者さんでは、以下のいずれかに該当する場合に対象となります。
  • 運動障害が続く場合
  • 治療として、以下のうち1つ以上を継続的に行っている場合
  • 心臓や血圧の薬(強心薬、利尿薬、抗不整脈薬、末梢血管拡張薬、β遮断薬、肺血管拡張薬)の使用
  • 呼吸管理(人工呼吸器、気管切開術後、経鼻エアウェイなどの処置を必要とするもの)や酸素療法
  • 中心静脈栄養や経管栄養

出典1)

対象となる費用は?

指定小児慢性特定疾病医療機関におけるSMAに関する医療費

※:都道府県または市に指定された保険医療機関(病院・診療所、薬局、訪問看護ステーション)

(該当の医療機関は各自治体のウェブページで公開されています。各自治体の担当窓口は、主な支援制度のお問合せ先より小児慢性特定疾病情報センターのウェブページをご参照ください)

どのようなサポートが受けられるの?

負担割合が3割の方は2割になり、1カ月あたりの自己負担が世帯の収入や患者さんの状態に応じた上限額までになります。

自己負担上限額
階層
区分
年収の目安
(夫婦2人子1人世帯)
自己負担上限額(月額)
(患者負担割合:2割、外来+入院)
一般 重症 人工呼吸器等装着者
生活保護等 0
市町村民税 非課税 低所得Ⅰ(~約80万円) 1,250円 500円
低所得Ⅱ(~約200万円) 2,500円
一般所得Ⅰ(~市区町村民税7.1万円未満、~約430万円) 5,000円 2,500円
一般所得Ⅱ(~市区町村民税25.1万円未満、~約850万円) 10,000円 5,000円
上位所得(市区町村民税25.1万円~、約850万円~) 15,000円 10,000円
入院時の食費 1/2自己負担
年収の目安(夫婦2人子1人世帯)
生活保護等
市町村民税 非課税 低所得Ⅰ(~約80万円)
市町村民税 非課税 低所得Ⅱ(~約200万円)
一般所得Ⅰ(~市区町村税7.1万円未満、~約430万円)
一般所得Ⅱ(~市区町村民税25.1万円未満、~約850万円)
上位所得(市区町村民税25.1万円~、約850万円~)
Ⅰ ⽣活保護等
⾃⼰負担上限額(月額)
(患者負担割合:2割、外来+⼊院)
一般 重症 人工呼吸器等装着者
0
入院時の食費
1/2自己負担
Ⅱ 市町村⺠税 ⾮課税 低所得Ⅰ
(〜約80万円)
⾃⼰負担上限額(月額)
(患者負担割合:2割、外来+⼊院)
一般 重症 人工呼吸器等装着者
1,250円 500円
入院時の食費
1/2自己負担
Ⅲ 市町村⺠税 ⾮課税 低所得Ⅱ
(〜約200万円)
⾃⼰負担上限額(月額)
(患者負担割合:2割、外来+⼊院)
一般 重症 人工呼吸器等装着者
2,500円 500円
入院時の食費
1/2自己負担
Ⅳ ⼀般所得Ⅰ
(〜市区町村税7.1万円未満、〜約430万円)
⾃⼰負担上限額(月額)
(患者負担割合:2割、外来+⼊院)
一般 重症 人工呼吸器等装着者
5,000円 2,500円 500円
入院時の食費
1/2自己負担
Ⅴ⼀般所得Ⅱ
(〜市区町村⺠税25.1万円未満、〜約850万円)
⾃⼰負担上限額(月額)
(患者負担割合:2割、外来+⼊院)
一般 重症 人工呼吸器等装着者
10,000円 5,000円 500円
入院時の食費
1/2自己負担
Ⅵ 上位所得
(市区町村⺠税25.1万円〜、約850万円〜)
⾃⼰負担上限額(月額)
(患者負担割合:2割、外来+⼊院)
一般 重症 人工呼吸器等装着者
15,000円 10,000円 500円
入院時の食費
1/2自己負担

※:(1)高額な医療費が長期的に継続する方[医療費総額が5万円/月(たとえば医療保険の2割負担の場合、医療費の自己負担が1万円/月)を超える月が12カ月の間に6回以上ある場合]、(2)現行の重症患者基準に適合する方、のいずれかに該当。

出典2)

手続きの方法は?

  1. 小児慢性特定疾病指定医(該当の医師は各自治体のウェブページで公開されています。各自治体の担当窓口は、主な支援制度のお問合せ先より小児慢性特定疾病情報センターのウェブページをご参照ください)を受診し、「医療意見書」を作成してもらう
  2. 説明の補足画像
  3. 必要書類をお住まいの都道府県または市の窓口へ提出し、申請する
  4. 審査後、支給認定された場合は「小児慢性特定疾病医療受給者証」が交付される
  5. 説明の補足画像
  6. 指定小児慢性特定疾病医療機関で受給者証を提示し、治療を開始する
  7. ※申請から受給者証交付までの間に指定小児慢性特定疾病医療機関でかかった医療費は払い戻し請求ができます。

    説明の補足画像

※申請から受給者証交付までの間に指定小児慢性特定疾病医療機関でかかった医療費は払い戻し請求ができます。

説明の補足画像

出典3)より改変

どのような書類が必要?

  • 小児慢性特定疾病医療費支給認定申請書
  • 小児慢性特定疾病医療意見書(医師が記載)
  • 市町村民税(非)課税証明書など世帯の所得を確認できる書類
  • 健康保険証のコピー
  • 医療意見書の研究利用についての同意書
  • 個人番号(マイナンバー)を確認できる書類

など(必要書類は自治体によって異なる場合があります)

有効期限はあるの?

小児慢性特定疾病医療受給者証の有効期限は原則1年以内です(1年ごとに更新が必要)。

窓口はどこ?

お住まいの都道府県または市(保健所、保健センターなど)

※指定都市・中核市・児童相談所設置市にお住まいの場合は市、その他の地域にお住まいの場合は都道府県の窓口へお問合せください。

日常生活用具の給付

どのようなサポートが受けられるの?

対象となる日常生活用具について、対象者の要件に該当する患者さんには基準額に応じた給付券が支給されます。
世帯の所得に応じて一部自己負担があります。

対象となる用具の例と対象者
用具の例(性能など) 対象者
便器(手すりをつけることができる) 常時介助が必要な方
特殊マット[褥瘡(じょくそう)の防止や失禁などによる汚染、損耗を防止できる機能があるもの] 寝たきりの状態にある方
特殊寝台(腕や脚などを訓練できる器具が付いていて、使用する人の頭部や脚の傾斜角度を個別に調節できる機能があるもの)
体位変換器
歩行支援用具(手すりやスロープ、歩行器などで、転倒予防や立ち上がり動作の補助、移乗動作の補助、段差解消などの性能があるもの) 下肢が不自由な方
車いす
入浴補助用具(入浴時の移動や座位の保持、浴槽への入水などを補助できるもの) 入浴に介助が必要な方
電気式たん吸引器 呼吸器機能に障がいがある方
ネブライザー(吸入器)
パルスオキシメーター(呼吸状態を継続的にモニタリングできるもの) 人工呼吸器の装着が必要な方
人工鼻 人工呼吸器の装着や気管切開が必要な方
便器
(手すりをつけることができる)
対象者:常時介助が必要な方
特殊マット
[褥瘡(じょくそう))の防⽌や失禁などによる汚染、損耗を防⽌できる機能があるもの]
特殊寝台
(腕や脚などを訓練できる器具が付いていて、使⽤する⼈の頭部や脚の傾斜⾓度を個別に調節できる機能があるもの)
体位変換器
対象者:寝たきりの状態にある⽅
歩行支援用具
(手すりやスロープ、歩行器などで、転倒予防や立ち上がり動作の補助、移乗動作の補助、段差解消などの性能があるもの)
車いす
対象者:下肢が不自由な方
入浴補助用具
(入浴時の移動や座位の保持、浴槽への入水などを補助できるもの)
対象者:入浴に介助が必要な方
電気式たん吸引器
ネブライザー(吸入器)
対象者:呼吸器機能に障がいがある方
パルスオキシメーター
(呼吸状態を継続的にモニタリングできるもの)
対象者:人工呼吸器の装着が必要な方
人工鼻
対象者:人工呼吸器の装着や気管切開が必要な方

出典4)より改変

手続きの方法は?

  1. 用具の取扱業者に見積書を作成してもらう
  2. 手続き方法1
  3. 必要書類をお住まいの市区町村の窓口へ提出し、申請する
  4. 審査後、給付が決定した場合は「日常生活用具給付決定通知書」と「日常生活用具給付券」が交付される
  5. 手続き方法2
  6. 用具の取扱業者に用具を発注する
  7. 納品の際、取扱業者に給付券を添え、必要に応じて自己負担額を支払う
  8. 手続き方法2

(手続きは自治体によって異なる場合があります)

手続き方法

出典5)および各自治体のウェブサイトを参考に作成

どのような書類が必要?

  • 小児慢性特定疾病児童等日常生活用具給付申請書
  • 小児慢性特定疾病医療受給者証
  • 用具の見積書(取扱業者が作成)
  • 市町村民税(非)課税証明書など世帯の所得を確認できる書類
  • 個人番号(マイナンバー)が確認できる書類

など(必要書類は自治体によって異なる場合があります)

窓口はどこ?

お住まいの市区町村(特別区を含む)

自立支援

どのようなサポートが受けられるの?

小児慢性特定疾病の患者さんの自立や成長を支援するため、以下のようなサポートがあります。
自治体によって受けられるサポートは異なります。

主なサポート 主な内容
必須事業 相談支援 療育相談指導、巡回相談指導、ピアカウンセリング(小児慢性特定疾病児童などの養育経験者による相談・助言)、自立に向けた育成相談、学校・企業など地域関係者からの相談への対応や情報提供など
自立支援員による
サポート
自立支援に関する各種支援策の利用計画の作成やフォローアップ、学校・企業などとの連絡調整や各種機関・団体による支援策についての情報提供など
任意事業 療養生活支援 医療機関などでの小児慢性特定疾病児童などの一時預かりや療養上の管理、日常生活上の世話など
相互交流支援 ワークショップの開催、小児慢性特定疾病児童など同士、またはその家族との交流機会の提供など
就職支援 働く意欲がありながら就労が困難な小児慢性特定疾病児童などに対する就労支援(職場体験・職場見学、就労に必要なスキルの習得支援など)や雇用情報の提供など
介護者支援 介護者の負担軽減のための小児慢性特定疾病児童などの通院などの付き添い支援、家族の付き添い宿泊支援、小児慢性特定疾病児童などの兄弟姉妹の預かり支援、家族向け介護実習講座の開催など
その他の自立支援 長期入院などに伴う学習の遅れなどについての学習支援、身体づくり支援、自立に向けた健康管理に関する講習会の開催、コミュニケーション能力の向上支援など
必須事業
相談支援
療育相談指導、巡回相談指導、ピアカウンセリング(小児慢性特定疾病児童などの養育経験者による相談・助言)、自立に向けた育成相談、学校・企業など地域関係者からの相談への対応や情報提供など
自立支援員によるサポート
自立支援に関する各種支援策の利用計画の作成やフォローアップ、学校・企業などとの連絡調整や各種機関・団体による支援策についての情報提供など
任意事業
療養生活支援
医療機関などでの小児慢性特定疾病児童などの一時預かりや療養上の管理、日常生活上の世話など
相互交流支援
ワークショップの開催、小児慢性特定疾病児童など同士、またはその家族との交流機会の提供など
就職支援
働く意欲がありながら就労が困難な小児慢性特定疾病児童などに対する就労支援(職場体験・職場見学、就労に必要なスキルの習得支援など)や雇用情報の提供など
介護者支援
介護者の負担軽減のための小児慢性特定疾病児童などの通院などの付き添い支援、家族の付き添い宿泊支援、小児慢性特定疾病児童などの兄弟姉妹の預かり支援、家族向け介護実習講座の開催など
その他の自立支援
長期入院などに伴う学習の遅れなどについての学習支援、身体づくり支援、自立に向けた健康管理に関する講習会の開催、コミュニケーション能力の向上支援など

出典6)より作成

窓口はどこ?

お住まいの都道府県または市(保健所、保健センターなど)

※指定都市・中核市・児童相談所設置市にお住まいの場合は市、その他の地域にお住まいの場合は都道府県の窓口へお問合せください。

詳しくは、主な支援制度のお問合せ先より小児慢性特定疾病センターのウェブページをご参照ください。

1)小児慢性特定疾病情報センター.38 脊髄性筋萎縮症. https://www.shouman.jp/disease/details/11_17_038/,(2021年7月27日参照)
2)小児慢性特定疾病情報センター.小児慢性特定疾病の医療費助成に係る自己負担上限額. https://www.shouman.jp/assist/expenses,(2021年7月27日参照)
3) 小児慢性特定疾病情報センター.手続きの流れ. https://www.shouman.jp/assist/process/,(2021年7月27日参照)
4) 小児慢性特定疾病情報センター.日常生活用具給付事業について. https://www.shouman.jp/assist/utensil,(2021年7月27日参照)
5) 厚生労働省.小児慢性特定疾患児日常生活用具給付事業の実施について. (平成17年2月21日雇児発第0221002号, 最終一部改正 平成23年11月28日雇児発1128第4号).
6)小児慢性特定疾病情報センター.小児慢性特定疾病児童等自立支援事業について. https://www.shouman.jp/support/patient/,(2021年7月27日参照)

2021年8月作成