似ている病気はあるの?

SMAと似ている病気

これらの病気では、SMAと似ている症状があらわれることがあります。
遺伝学的検査でSMAが否定された場合、SMA以外の病気の可能性を検査して調べます。

筋萎縮性側索硬化症(ALS) 筋疾患(きんしっかん)
  筋(きん)ジストロフィー
  多発性筋炎(たはつせいきんえん) など
球脊髄性筋萎縮症(きゅうせきずいせいきんいしゅくしょう、SBMA) 感染症に関連した下位運動(かいうんどう)ニューロン障害
  ポリオ後症候群(ポリオごしょうこうぐん) など
脳腫瘍・脊髄腫瘍(のうしゅよう・せきずいしゅよう) 傍腫瘍症候群(ぼうしゅようしょうこうぐん)
脊髄疾患(せきずいしっかん)
  頸椎症(けいついしょう)、
  椎間板(ついかんばん)ヘルニア
  脊髄空洞症(せきずいくうどうしょう) など
先天性多発性関節拘縮症(せんてんせいたはつせいかんせつこうしゅくしょう)
末梢神経疾患(まっしょうしんけいしっかん)、
多発性神経炎(たはつせいしんけいえん、遺伝性、非遺伝性)、
多巣性運動(たそうせいうんどう)ニューロパチー など
神経筋接合部疾患(しんけいきんせつごうぶしっかん)
ポンペ病
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
球脊髄性筋萎縮症(きゅうせきずいせいきんいしゅくしょう、SBMA)
脳腫瘍・脊髄腫瘍(のうしゅよう・せきずいしゅよう)
脊髄疾患(せきずいしっかん)
  頸椎症(けいついしょう)、
  椎間板(ついかんばん)ヘルニア
  脊髄空洞症(せきずいくうどうしょう) など
末梢神経疾患(まっしょうしんけいしっかん)、
多発性神経炎(たはつせいしんけいえん、遺伝性、非遺伝性)、
多巣性運動(たそうせいうんどう)ニューロパチー など
筋疾患(きんしっかん)
  筋(きん)ジストロフィー
  多発性筋炎(たはつせいきんえん) など
感染症に関連した下位運動(かいうんどう)ニューロン障害
  ポリオ後症候群(ポリオごしょうこうぐん) など
傍腫瘍症候群(ぼうしゅようしょうこうぐん)
先天性多発性関節拘縮症(せんてんせいたはつせいかんせつこうしゅくしょう)
神経筋接合部疾患(しんけいきんせつごうぶしっかん)
ポンペ病

出典1)2)より作成

よく似ているとされる病気を一部ご紹介します。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

運動神経が変化して、手足、のど、舌の筋力や呼吸のための筋力が低下します。主に中年以降で発症します。症状は、手指が使いづらく、肘から先の力が弱くなることから始まることもあれば、話しにくい、食べ物が飲み込みづらいといった症状から始まることもあります。家族性ALSの2~3割でSOD1遺伝子の変化が報告されています3)

筋ジストロフィー

筋肉が壊れやすく、再生されにくいため、筋力が低下します。原因遺伝子によって、さまざまな病型があり、発症年齢やあらわれる症状は多岐にわたります。主な症状は運動機能に関するもので、特徴的な歩き方などがあらわれます。

ポンペ病

細胞内の酵素がなくなることでさまざまな症状があらわれます。ライソゾーム病と呼ばれる種類のひとつで、乳児で発症するタイプは、SMAⅠ型との区別が必要です。乳児型では心臓の機能が低くなるほか、筋力が低下し、フロッピーインファントの症状があらわれることがあります。GAA遺伝子などの変化が原因とされています。

1)難病情報センター.脊髄性筋萎縮症(指定難病3)(令和6年4月). https://www.nanbyou.or.jp/entry/285,(2024年9月5日閲覧)
2)日本先天代謝異常学会 編. ポンペ病診療ガイドライン2018.診断と治療社; 2019.
3)日本神経学会 監.筋萎縮性側索硬化症(ALS)診療ガイドライン2023.南江堂; 2023.

総合監修
東京女子医科大学ゲノム診療科 特任教授
齋藤 加代子 先生

1976年 東京女子医科大学医学部卒、80年 同大学院臨床医学系小児科学修了。東京女子医科大学小児科学教室助手、同教室講師、助教授を経て、99年 教授。2001年 東京女子医科大学大学院先端生命医科学系専攻遺伝子医学分野教授を兼任、04年 同附属遺伝子医療センター教授専任・所長。16年 同副学長、17年より同名誉教授(現職)、同附属遺伝子医療センター特任教授・所長。東京女子医科大学臨床ゲノムセンター所長、同病院遺伝子医療センターゲノム診療科特任教授を経て、21年4月より同ゲノム診療科特任教授(現職)。専門は遺伝医学、小児神経学、小児科学。

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2024年9月改訂