骨の健康のための
「体にうれしい食事」
SMA患者さんでは、骨量の減少など日々の生活の中ではなかなか気づきにくい症状がおきている場合があります。ご自身の体と向き合い、上手につきあって元気に過ごすための食事のポイントについてご紹介します。
骨の健康につながる食事のポイント
骨の健康と、食事は深いつながりがあり、SMA患者さんは、骨減少症や骨折のリスクがあります。また、骨量の減少はなかなか気づきにくいため、普段から骨の健康に必要な栄養素を、習慣的に食事から摂ることが大切です。
食事のポイント
- 骨の主成分であるカルシウムを習慣的に摂る
- 体内の99%のカルシウムが、骨に存在。血液の凝固や心筋の収縮など生命維持に必要不可欠で、摂取量が不足すると骨から溶出して補うので骨がもろくなりやすい。それを防ぐためにも習慣的な摂取が必要。
- カルシウムの吸収促進など、
骨の健康にかかわる栄養素を合わせて摂る - カルシウムの吸収率は、成人で25~30%と、ほかの栄養素に比べて比較的低いため、カルシウムの吸収をサポートするビタミンDや、骨の健康にかかわるビタミンK、たんぱく質と一緒に、効率的に摂取する。
- リンの摂りすぎに注意し、
カフェインやアルコールを控える - リンの摂りすぎはカルシウムの吸収を阻害するので、注意が必要。冷凍食品やインスタント食品にはリン酸塩(無機リン)が多く含まれるため、摂りすぎには注意。
また、コーヒー、紅茶や緑茶などに含まれるカフェイン、アルコールを含む酒はカルシウムの吸収を妨げるため控える。
参考:脊髄性筋萎縮症(SMA)診療の手引き編集委員会 編.脊髄性筋萎縮症(SMA)の手引き.メディカルレビュー社; 2022,
厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2020年版). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html,
(2024年6月13日閲覧)
おすすめレシピ
骨の健康には、カルシウムなどの栄養素を食事から摂るのと同時に、歩行やストレッチなど、できる範囲で骨に適度な負荷をかけることが骨の強さにつながります。
体を動かすのが難しい場合は、日光浴をすることで、カルシウムの吸収を促進するビタミンDの体内での合成が促進され、骨の健康につながります。
患者さんの摂食・嚥下機能の状態に合わせて、食材を細かく刻む、とろみをつけるなど調整してください。
患者さんの摂食・嚥下機能や栄養管理について医師や言語聴覚士、管理栄養士など医療関係者と相談のうえ、ご利用ください。
|監修|株式会社おいしい健康 管理栄養士
2024年6月作成
UDF®️(ユニバーサルデザインフード®️)とは?
ユニバーサルデザインフードとは、日常の食事から介護食、嚥下配慮食まで、食べやすさを4段階に分けて表しています。ドラッグストアやスーパーで購入できるレトルトタイプの嚥下配慮食に記載されているので、選ぶ際の参考になります。